
現代では新設されることが少なくなった万年塀ですが、当時これほどまでに普及したのには、非常に多くの優れたメリットがあったからです。
① 圧倒的なコストパフォーマンス(安価)
部材がすべて工場で規格化され、大量生産されていたため、材料費が極めて安く抑えられました。また、後述の通り工事期間が短いため、職人の人件費も削減でき、トータルの施工費用が他の塀に比べて圧倒的に安価でした。
② 工期の短さ(スピード施工)
現場で行う作業は「穴を掘る」「柱を建てる」「板を落とし込む」「隙間をモルタルで埋める」というシンプルな工程のみです。コンクリートブロック塀のように、一段ずつモルタルを練りながら積み上げ、乾燥を待つという手間がかかりません。数日、規模によっては1日で長い距離の塀を完成させることが可能でした。
③ 高い防火性と遮音性
コンクリートは不燃材料であるため、隣家で火災が発生した際の「類焼(もらい火)」を防ぐ防火壁として非常に優秀です。また、木製の板塀やアルミフェンスに比べて質量があるため、道路からの騒音や隣家の生活音を遮る遮音効果も期待できます。
④ 優れた耐久性(腐食・虫害に強い)
木製塀のように水分で腐ったり、シロアリに喰われたりすることがありません。一度設置すれば、メンテナンスをほとんどしなくても数十年間形を保ち続けることができるのは、当時としては画期的なことでした。




